あれも、これも。
阪急阪神百貨店が
届けた文化
The culture we have brought to life
阪急阪神百貨店は、さまざまな文化を関西の街に届けています。そのいくつかをご紹介します。
今では当たり前の光景も、実は私たちが作り出したものかもしれません。

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World's first terminal
department store

The culture we have brought to lifeHankyu department store

世界初 ターミナル百貨店の誕生

大阪が「大大阪時代」と呼ばれるほど盛り上がり始めていた1920年代、阪急は大阪梅田の発展に大きく貢献しました。20年に地下1階地上5階建ての阪急ビルを竣工し、その後ビル内に自社運営の「阪急マーケット」をオープン。さらに29年には新たに竣工した第1期阪急ビルの1階に阪急電鉄梅田駅を、2〜8階に百貨店・食堂を開業し、世界初のターミナル百貨店を誕生させたのです。これらの施設は多くの人を呼び込み、梅田の商業的発展を後押ししました。

この文化を届けるまで、届けてから

現代では大阪の中心地として位置付けられる梅田の発展は、阪急のターミナル百貨店開業が大きく関わっています。大昔は沼地だったと言われる梅田ですが、明治時代に鉄道が開業したことで次第に人が集まる場所に。1929年、その成長に拍車をかけたのが、創業者の小林一三が構想した、駅直結の百貨店のオープンです。抜群のアクセスと店舗の魅力でたくさんの人を

惹きつけ、周辺地域の発展に大きく貢献しました。さらに、駅を利用したその足で買い物ができる便利なこの仕組みは当時としては画期的で、徐々に首都圏を中心に他の地域にも広がっていきます。主要な駅に伴って、ターミナルビルと百貨店が開発されるようになりました。私たちが普段何気なく行う、こうした施設でショッピングを楽しむ文化は阪急が生み出したものです。

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The culture we have brought to lifeHankyu department store

シースルーウィンドー

阪急うめだ本店のコンコースに位置し、季節毎の展示で人々の心に彩りを与えてきました。全長100メートル、全7面と他の百貨店では見られないスケールを生かした、ダイナミックで楽しい展示は阪急うめだ本店を象徴するひとつです。特にクリスマスの装飾には力を入れており、多くの人がSNSにアップしたり、ニュースでも取り上げられたりとウキウキする気分を一層盛り上げます。

この文化を届けるまで、届けてから

1972年の設置以来、ウィンドーの装飾には力を注いできました。思わず写真を撮りたくなる迫力あるクリエイション、覗き込みたくなるポイントの設置など、バラエティ溢れる演出をたくさん用意しています。近年のクリスマスはマリオネットを使って7面で物語を展開。「家族で夢中になって見た」など、ずっと心に残る思い出づくりをつくることができました。

コロナ禍のときも外出する人が減る中で、ウィンドーの前で足を止めて笑顔を見せてくださる方がいらっしゃいました。その光景を見て再認識したのが、ウィンドーとは単なる情報発信の場ではなく、全ての人に笑顔と元気を与えるのが役割である、ということです。これからも思いの詰まった展示で、全ての人にパワーを与えます。

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Festival Square

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祝祭広場

2012年、阪急うめだ本店では全面建て替えという大ニュースがありました。このリニューアルとともに9階に誕生した広場です。高さ16メートル、4層吹き抜けの広々とした空間が特長で、一年を通してさまざまなイベントを開催しています。当社ビジョンである「お客様の暮らしを楽しく、心を豊かに、未来を元気にする『楽しさNo.1百貨店』」の象徴です。

この文化を届けるまで、届けてから

2012年当時、消費者の興味の対象は物質的な豊かさを求める「モノそのもの」から、モノにまつわる背景や、そこから生まれる楽しい時間やライフスタイルなどの「コト」に移行していると考えました。
この時代の変化に対応して、「コト」を提案するための装置として作られたのが祝祭広場です。

英国の奥深い文化を楽しめる「英国フェア」や、本場ヨーロッパの街並みさながらの空間を再現した「クリスマスマーケット」、国内外のショコラティエが商品への思いを語るトークショーやエンターテインメント感溢れる環境装飾などにより、「チョコレートのテーマパーク」とも評される「バレンタインチョコレート博覧会」などが行われ、新しい生活文化を発信し続けています。

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The British Fair

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英国フェア

紅茶やスコーンなどのグルメ、雑貨やファッションなどで英国カルチャーを感じられるこのイベントは、数ある催事の中のひとつではありません。阪急百貨店のストーリーを語るには外せない、重要な存在です。
スタートしたのは高度経済成長期のさなかにある1970年と50回を超える長い歴史を持ち、経済が発展し生活に余裕が出てきた消費者に、英国を愛した歴代担当者が本物の英国文化を伝えました。

この文化を届けるまで、届けてから

今では各地で英国をテーマとしたイベントが開催されていますが、そのパイオニアは阪急百貨店です。半世紀以上前に始まった英国フェアは、本物の英国文化を届けたいという担当者たちの熱い思いの甲斐あって、人気が高まってきました。次第に他の百貨店やホテルでも、英国文化を伝えるイベントが開催されるようになり、日英の通商拡大に貢献することができたのです。また、英国の食文化を正しく理解してくださるお客様を増やすこともできています。

その功績は英国本国からも認められており、歴代3名の代表取締役が名誉大英勲章を受勲したのに加えて、2019年には現場の実務担当者が名誉大英褒章を受章しています。これは英国王室から授けられる勲章で、日本人の実務担当者が受章するのは史上初でした。
また、祝祭広場では、この英国フェアを始め、イタリア、フランス、ハワイ等の海外催事が行われています。

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Food Festival
terrace

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食の阪神 「食祭テラス」

2022年の阪神梅田本店の建て替えグランドオープンの際に1階に誕生した、ワクワクするグルメ体験ができるスペースです。
定期的にテーマを決めてイベントを行い、新たな食情報を発信するメディアとしての役割を担う場です。通常、百貨店の1階といえばラグジュアリーブランドやコスメ。しかし「食の阪神」と言われる阪神百貨店だからこそ、「食」を百貨店の「顔」に据えたのです。

この文化を届けるまで、届けてから

昔から生鮮売場の評判、食品の売り上げともに高く「食の阪神」はお客様とスタッフの共通認識でした。それでも、建て替えにあたりその期待を超えたいとの思いで開発した空間が食祭テラスです。SNSの時代だからこそ、リアルな出会いを重視した食のイベントを開催することにしました。食を深く掘り下げたテーマ案を各スタッフが持ち寄り議論を重ね、毎週のようにイベントを実施。

イベントは年間50本のペースで行っています。これまで百貨店とは縁が遠かった若い方、遠方からいらっしゃる方など、新たなお客様との出会いを数多く創出することができました。いつの時代も、どの世代のお客様にとってもリアルな接点が大切であることを知れたのは、私たちにとって大きな財産です。

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Great wine
festival

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阪神名物「大ワイン祭」

何百種類ものワインをフリーテイスティングできる人気の催事です。2024年の秋で54回目と歴史は深くなりつつあります。ラインアップは数千円ほどのワインが中心で、気に入ったものがあれば気軽に購入して家に持ち帰られるのがポイントです。期間中はフロアにワインの豊かな香りが充満し、楽しい雰囲気に包まれています。

この文化を届けるまで、届けてから

一昔前、百貨店では何万円もするワインが当たり前でした。ですがヨーロッパでは古くから家庭での夕食にてワインが親しまれており、その文化は日本でも馴染むのではないか、というアイデアからスタートしたのが大ワイン祭です。また、ボージョレ・ヌーヴォーの提案です。安価であることをネックに感じる百貨店が多い中、阪神百貨店は「日常生活で『手の届く贅沢を楽しむ』という文化を作るのに絶好だ」と捉え、

積極的にイベントを開催しました。このスタンスに多くのお客様が共感してくださり、日本での家呑みワイン文化を先導する立役者になれたのではと実感しています。初期からのお客様は「もっと高級なものや有名なワインも飲んでみたい」とワイン通に成長しつつあるのも喜びです。

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Creaters Village

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クリエイターズヴィレッジ

雑貨アクセサリーやイラストなど、オリジナルの世界観を持ったクリエイターたちが週替わりのポップアップで登場する2階のイベントスペースです。阪神梅田本店建て替えグランドオープンに先駆け、2021年10月にSNSを中心に活動する個人のクリエイターと協力してスタートしました。そのクリエイターのファンの方や、クリエイターズヴィレッジのイベントをいつも楽しみにしてくださっているたくさんのお客様で賑わっています。

この文化を届けるまで、届けてから

「百貨店はどこも同じブランドが入って似たような感じ」というイメージからの脱却を狙い、想像以上に多くの効果を生んでいます。クリエイターには販売の場を提供することで、お客様との出会いやビジネスとしての成長を促しました。これらのイベントは、店舗の客層の若返りに一役買っています。以前は50~70代のお客様がメインでしたが、20~30代のお客様が増加し、

現在では40代の購入客が中心になってきました。
また、クリエイターに百貨店で培ったビジネスノウハウを伝える中で、これまでやってきたことの価値を改めて知ることができました。さらに最近は、東京、岡山の他商業施設からもオファーを頂き、クリエイターズヴィレッジの人気イベントを各地で開催しています。

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Snack Park

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スナックパーク

1957年、阪神梅田本店に「おやつセンター」というスポットが生まれました。その後「スナックパーク」と名称を変え、全国でも珍しい立ち食いスタイル専門の「安くて・旨い」を体現する飲食店スペースとして歴史を歩み始めました。2018年の阪神梅田本店の建て替え第1期オープンに合わせて現在の姿となり、今も変わらず愛されています。

この文化を届けるまで、届けてから

今も昔も変わらず、隣同士となったお客様同士がスペースを譲り合いながら食事を楽しむ姿がひしめき合うスナックパーク。現在ショッピングモールにあるようなフードコートの原型でもあります。いか焼き、ちょぼ焼きといった、大阪を代表する名物メニューもここからメジャーになり、百貨店のリニューアルを経ても愛され続けています。

“ちょっと待ち合わせに”という使い方や、ビジネスパーソンが“仕事終わりに一杯”というように、お客様それぞれのスタイルの数だけの利用方法があり、長年の思い出の場所として挙げる方もたくさんいます。これからも人々にメモライズされるスポットとしてあり続けていきます。